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海まで散歩

あまりに陽光がうららかななので、今日は海まで散歩することにした。片道1300メートルの距離だが、ラズリと一緒だと最低でも20分を要する。うちは山に囲まれた地区だが、数百メートルほど南下すると、だんだんと海辺のリゾート地っぽくなって、町並みや家の構え方が異なり始め。500メートルほど進むと文化が違ってくる。東京と大阪の差、あるいは山の手地区とダウンタウン地区の差よりも大きい。しょせん地続きな町なのに、土と木に根付いた町並みから海に向かって心を解放するような町並みへと変わる。空の青さの延長にあるようなブルーの家があったり、家主がサーファーであることが丸わかりの家があったりで、一週間ごとに山から海へ、海から山へと住み替えたら、さぞかし人間性が広がるだろう、と思った。
 ラズリは私のために散歩をしているのだろうか。2歩前で私の足取りと同じ速度で歩くのだが、ときどき私を振り返って誇らしげな表情をする。
 海に向かう一本道に何カ所か駐車場がある。毎回、ここまで来たからあと5分という道標にしている駐車場があって、入口にいちばん近いスペースにキャンピング・トレーラーがずっと駐められているのだった。一度たりともトレーラーがなかったことがない。駐車場代も馬鹿にならない額なのに置きっぱなしというのはなんだかもったいない。なんとなくだが、ドアを開いたり閉じたりしている気配さえも全くなさそうだ。
 最近片っ端から坂口恭平の本を読み耽ったのだが、駐車場に手作りの2坪ハウスを置いて生活していた彼の私ドキュメントは面白かった。総制作費が3万円で質素きわまりない小屋だったのだが、このトレーラーハウスは内部がどんなインテリアでいくらくらいするのだろう。海から戻ったら調べてみよう、と思って、持参していたスマホで写真を撮っておいた。
 海岸に着くと強風が吹き荒れていたが、典型的な南風なのでエアコンのように暖かい風だった。犬連れの散歩者があちらこちらにいる。が、誰一人としてノー・リードで犬を放す者はいない。条例で禁止されているからだが、ここまでみんなが規則を遵守しているのも気持ち悪い。おそらく3匹に1匹は呼び戻しのしつけが入っている、3匹に1匹はほぼ入っている、3匹に1匹は入っていない。だから少なくとも3匹に1匹はノーリードで海辺を歩かせていいじゃんと考えるのだが、「犬が怖い人がいる。彼らの散歩する自由はないのか」という人は必ず世の中に存在するので、厄介なんだよなぁ。
 15分ほどラズリと海岸を散歩してから元の道を引き返した。途中、通行人に撫でられたり、大回りの道を歩いたりしたので、結局トータル1時間半になった。
 帰宅後、例のキャンビング・トレーラーを調べたら、ドイツ製の「タバート スモールエッグ」という機種で、税抜き198万円だった。ヤフオクで出品・落札された中古もあったが、それでも100万円を少し超えていた。
 インテリアはいかにも都会の人間が好きそうなテイストで、毎月のように使用するのならともかく、無駄の権化みたいだ。「ワイルドだろ?」「いや、ぜんぜん(苦笑)」
 こんなトレーラーを牽いてわざわざ湖畔のキャンピング場に泊まるくらいなら、貸別荘かリゾートホテルにでも泊まったほうがいいのでは、と思ったが、趣味の領域だから否定しちゃダメだ。
 見たくない気持ちのほうが強いが、午後9時のNHKスペシャルを見るのが国民の義務だろうな。
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